ガンスリンガーガールでは、ともすれば見落としがちなちょっとした伏線があちこちにちりばめられています。その多くは、義体が崩壊するプロセスの前兆として描かれたものですが、ひとつだけ、最も大きい伏線が残されています。
それは、トリエラが子供を産めるということ。いつ、どういう形で回収するのかわかりませんが、エンディングのひとつのキーワードになるのかもしれません。
トリエラの監督官であるヒルシャーは、他の監督官と違って唯一、自分から望んで公社に所属したわけではありません。トリエラを救うために、そのためだけにここで仕事をしています。 そして、それはトリエラにもいえること。生来の知能の高さと責任感が彼女を殺しに駆り立てていますが、本来それは彼女がやりたかったことでもなんでもないわけで。ヒルシャーによると、トリエラに託されたのは「この世の善意を体現すること」であって、人を殺すことではありません。また、今の仕事がラシェルの遺志かというと、それも非常に疑問です。
このフラテッロは、その目的意思において非常にあいまいで、微妙な立ち位置にいるように思えます。
ラストシーンでは、おそらく対立構造が変わってくるものと思いますが、そのときにどういう行動をとるのか興味ありますね。「この人とどこまでも」の言葉が、どういう行動につながるのか。
いつか 行けるのなら 遠い海へ 世界の果ての果てまで
そんな所にたどり着けたら どんな気持ちになれるのかな ―”doll”
海が羊水の暗喩だとしたら。トリエラの目指すところは、母になることでしょうか。
トリエラの存在は、救いのない暗い物語(パンドラの箱)に残された、たったひとつの希望なのかもしれません。この救いのない物語のラストシーンが、たとえばマリオの手配した南の島で、わが子を抱いて眠るトリエラの姿であったなら、それで十分です。

